高齢者のQOLの向上と医療費削減のための取り組み

健康寿命を伸ばす必要性

近年の医療技術の発達により、少しずつ確実に平均寿命が延びてきています。厚生労働省によると、平成30年度の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳となっていて、世界ランキングを見てもトップを争うほどです。

ところで、寿命については誰もが一度は意識することかもしれませんが、平均寿命と意味の異なる健康寿命という言葉を知っていますか?健康寿命とは、医療や介護に依存することなく、健康的な日常生活を送れる期間のことを指しています。この健康寿命と平均寿命の差は、健康ではない期間ということになります。

平均寿命が高いことは素晴らしいことであり、医療費の増大にもつながります。高齢者問題が懸念されていてる現在は、働き盛りで経済を支える世代が年々減ってきています。そんな中、「人生100年時代」という言葉が浸透しており、現役で働く人の年齢はどんどん上がってきています。そのため、健康寿命を延ばすことに関心を向ける人が増え、様々な取り組みや対策が行われつつあります。

たとえば、生活習慣を改善して、適度な運動を行い、バランスのとれた食事を摂ることなどです。これらはどれも基本的なことですが、とても重要であり、意識的に行わなければならないことだといえるでしょう。その他にも、喫煙を控えたり、社会とのつながりを大切にしたりすることも、心身の健康維持に効果があります。また、健康を保つために、地域の行事に積極的に参加するのも一つの方法です。これらは、ほんの一例ですが、普段疎かになりがちな健康について関心を寄せることはとても大切なことなので、誰でも早いうちから出来ることを実践するようにしましょう。