高齢者のQOLの向上と医療費削減のための取り組み

予防医学と健康寿命の関係性

健康寿命は医療や介護を必要とせず、自立した生活を営むことができる期間の長さを指します。医学的な意味の自立は他者の介助作業を必要としない状態であり、持病があって通院している人でも、自分で身の回りのことをこなすことが可能であれば、自立していると見なされます。健康寿命は医療技術の進歩によって長くなりましたが、その一方で当事者の体調管理が重要であることは忘れてはいけません。

いくら医療的なサポートが充実しても、自分の意思で健やかな暮らしを営むことを意識しなければ、健康寿命を延ばすことは困難でしょう。ですから、体調や衛生の管理の必要性を正しく理解し、病気を患わない予防医学を重視することがポイントになります。

予防医学はその名の通り、病気を未然に防ぐことを目的とした医学です。病気を患ってからの治療は心身に大きな負担がかかるうえに、治療費の面で多大な出費が生じます。そのため、穏やかな生活を送るためには予防医学の必要性を理解する必要があるでしょう。したがって、医療機関で定期的に検査を受けて、異常が確認されたら速やかに治療したり、生活縦貫を改善したりすることが重要です。そうすれば、長期の治療による心身や経済的な負担をかなり減らすことが出来るでしょう。

また、うがいや手洗い、日用品の消毒などを徹底することも、病気を未然に防ぐのに役立ちます。医療機関での治療だけに頼らず、毎日の暮らしの中で病気になる要因を取り除くのは、予防医学の基本です。一人ひとりが健康維持に必要な知識を持ち、適切に対処することを心がければ、日本の健康寿命を平均寿命に比例するように延ばしていくことができるかもしれません。